1 趣旨
私自身、障害を持って生まれ、幼い頃から施設で暮らしていました。「施設で暮らす事が私たち障害者にとって普通のことだ」と10年以上施設で暮らす中で、私は思うようになっていました。
しかしそれは本当は普通のことではないのだと気がついたのは、ある障害者の会との出会いがあったからでした。「障害者であっても地域社会で支援を受けながら自分らしく生きていく、それこそが普通のことなのだ」と、学んだのです。このような生き方を私たちは特別な思いを込めて『自立生活』と呼んでいます。
その後、私はその会から支援を受け、自立生活を実現しました。
私が自立生活を始めてから18年ほど経ちました。自立生活を送る中で楽しいことや辛いこと、色々なことがありましたが、親元や施設で暮らすよりも自立生活をしていることの方が自然なことだと今の私は考えています。
こうした私の経験を原点に、自立の風かんばすは任意団体として活動を始めました。
福祉の専門家という立場ではなく、障害者という立場を活かした活動が私たちの強みです。
これまで私たちは、「障害者であっても地域社会で自分らしく生きることは、特別なことではない」ということを一人でも多くの人に理解されるよう発信しつづけてきました。そして障害者に対して、地域社会で自分らしく生きることが実現できるよう支援をしてきました。今後は上記の活動に加え、障害者一人一人の持ち味を発揮出来る機会を提供する活動等を行い、障害者を含む誰もが地域社会で自分らしく生きていくことが当たり前にできる豊かな社会を目指します。
2 申請に至るまでの経過
当会の障害者の自立生活に関する活動は、障害当事者を中心に有志の者が集まり、2005年から始まりました。活動初期は啓発活動が中心でした。多くの市民に障害者が存在することを知ってもらうための社会参加活動や冊子の発行配布活動、依頼講演など。
2009年からは、実際に自立生活を目指す者に対し、その実現のための支援も始めました。現在は自立生活を継続していくための支援も行っています。
2012年からは、それまでの経験を元に当会独自のユニークな講演会を企画し開催しています。
これまでは任意団体として活動を行ってきましたが、今後も活動を継続していくためには、個人への負担の軽減や幅広く支援を受け入れられる体制、組織的な運営が不可欠であると考え、法人化を検討し始めました。2012年から特定非営利活動法人に関する勉強会を不定期に行い、2014年3月15日に設立総会を開き、今日の申請に至りました。
平成26年3月15日
特定非営利活動法人自立の風かんばす
設立代表者 横川 由紀